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現代の新経済学「MMT」
Writer : iscandaru (2021/4/22)

こんにちは! iscandaruイスカンダルです! ポカポカ陽気の日が増えてきましたね! 皆さんいかがお過ごしですか?

さて、今回は「ざっくり解説!!MMT編」の第3弾をお送りします! ついにMMTの中身に触れていきますよ!

これまでのカジュアル経済で説明してきた「おカネは情報」「インフレ・デフレ」「政府の借金」などの知識を学んできた皆さんなら、今回の話はきっとスッキリ理解できるのではないでしょうか! それでは行ってみましょう!

MMTってなに?

そもそもMMTとは何か、まずはそこからお話ししましょう。 MMTとは「Modern Monetary Theory」の略で、日本では「現代貨幣理論」と呼ばれる、現代のおカネの仕組みについて説明している理論です。

MMT自体は2000年台ごろからStephanie Keltonステファニー ケルトン教授をはじめとしたアメリカの経済学者が提唱している比較的新しい理論です。

しかし、決してぽっと出の理論というわけではなく、ケインズ経済学、ポスト・ケインズ派の流れを汲む、100年近い歴史の集大成として発表されているものです。(ここらへんは「ふーん」程度で大丈夫です!)

では、具体的にMMTはどんなことを主張しているのでしょうか? 簡単にまとめていきます。

「MMT」の主張

  • おカネの正体は「債務と債権の記録」であり、「モノ」ではない
  • 通貨主権のある国では「財政破綻(デフォルト)」はありえない
  • 必ずしも歳出を「税収」で賄う必要はない
  • 政府の借金はその「額」ではなく「インフレ」によって制約される

これまでカジュアル経済をお読みいただいている方はお気づきかもしれませんが、実はこのMMTの主張、ほとんどこれまでのシリーズで説明してきたことなんです!

では、今一度これらの主張を復習がてら確認してみましょう!

おカネはモノではなく「情報」

これはMMTの主張というよりは「前提」に近いものなのですが、MMTを理解するためにはまずこの貨幣観を習得しなければいけません。

旧式経済学で採用される「おカネ=モノ」の発想から来る「貨幣のプール論」では矛盾が多くありましたよね? それをMMTは真っ向から否定しているんです。

おカネはあくまで「情報」であって、「貸し借り」が発生して初めて誕生する存在ということがMMTでは重要な事実となっています。

この「貸し借りでおカネが生まれる」という事実を専門用語で「信用創造」と言うのですが、これは銀行などの預金や貸し出しを説明する際に重要になってきます。

つまり、前回の銀行預金と現金紙幣に額面で約7倍の開きがあることも、この信用創造、おカネが情報だということがわかっていれば難なく説明することができるんですね。

もし、この「おカネ=情報」について疑問のある方は、「おカネの正体編」で詳しく扱っているので是非そちらをご確認ください!

カジュアル☆経済:おカネの正体編

日本に「財政破綻」はない

そして、MMTを考える上で、もう一つ大切な前提があります。それは「通貨主権を持っているか」ということです。

通貨主権もつとは、「自国通貨を持っていて、その通貨発行権を政府が持ち、なおかつ変動為替相場制を採用している」ことを言います。

MMTはこの条件に当てはまる国に適用することができる理論なんです。 具体的には、アメリカ(ドル)イギリス(ポンド)、そして日本(円)といった国のことですね。

このような国々は例え政府の借金がふくらんだとしても、最終的には通貨発行権という特権があるため、問題にならないということをMMTは主張しています。

実際問題、日本の政府の借金は1200兆円を超えていますが、過度なインフレや金利の高騰などの問題は起こっていないですし、まして財政破綻なんてしていませんよね。実はそれも、MMTの主張にのっとれば当然のことだったのです。

ということで、この財政破綻問題に関しても「国の借金1000兆円編」で解説しているので、是非ご確認ください!

カジュアル☆経済:国の借金1000兆円編

「税収」は唯一の財源ではない

そして、税金に対してはMMTは「格差の是正」「政策の実現手段」「ビルトインスタビライザー」「通貨の需要を作る(租税貨幣論)」などを挙げています。

つまりMMTでは「税金が財源だ」ということに疑問をぶつけているんですね。むしろ、政府の支出(財政出動)があってこその徴税であると主張しています。

これは「Spending First」スペンディングファーストと呼ばれる考え方で、通貨というものは、まず政府の支出があってこそ国民経済に行き渡るものだという主張をしていることになります。

また、プライマリーバランスの黒字化(政府の支出が税収を超えないようにすること)をMMTでは意味のないことだと考え、デフレ期には積極的に財政出動し、インフレ期には抑制するという「機能的財政」が必要だと主張しています。

もし、財源を考えるのであれば、それは税収ではなく、国債や通貨発行権を駆使することで解決されるということもMMTの重要な考え方です。

少し込み入った説明になってしまいましたね。要するに政府のおサイフ事情を考えるときには、「税収」はほどんど関係ないということを主張しているということがわかればOKです!

この点に関しても、過去のエントリーで説明していので気になる方は読んでみてください!

カジュアル☆経済:「税金」の役割は「財源」ではない。

財政出動の制約は「インフレ」

そして、MMTの最も重要な主張と言えるのが「財政出動の制限」に関するものです。

MMTはプライマリーバランスや税収を重要視する旧式経済学とは異なり、ある意味で政府が積極的におカネを使うことを推奨する理論です。

しかしながら、際限なく財政出動してもいいのかと言われればもちろんそうではありません。 MMTはその制限として「インフレ」を挙げているのです。

政府の積極的な支出によって国民の所得が多くなると、需要が拡大し「インフレ」が誘発されます。もし、これを放置して支出をし続ければ、国の供給能力を大きく上回り「過度なインフレ」になってしまう可能性があります。

すると、価格上昇が早すぎてモノが買えなくなり国民は困ってしまいますよね。 したがって、このインフレを注視して政府の支出を調整することが重要だとMMTは説明しています。

あくまで、政府の制限はこの「インフレ」であって、「支出の額」ではないというのがMMTの肝となるところです。

この点についても以下のエントリーで説明しているので確認してみてくださいね!

カジュアル☆経済:政府の「アクセル」と「ブレーキ」


ということで今回は「MMT」の主張について説明してきました! いかがでしたでしょうか?

MMTが議論され始めたのはごく最近のことなので、「MMTは無税国家を主張している」「MMTは無限におカネを発行できると言っている」などの間違い否定的意見も多くあります。

しかしながら、その中身をきちんと理解すると、現実を説明するのに十分なロジックを備えた理論だということがわかるかと思います。

皆さんも是非、MMTについて知って、経済について考えてみてくださいね!

次回はこのMMTの考え方をもとに、日本がどうすればいいのかを考えていきます!


最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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