Thought考えごと

カジュアル logo mark 経済 #2 ー 最強の特権「通貨発行権」

Writer : iscandaru (2021/1/9)

こんにちは! iscandaruイスカンダルです。 今回はカジュアル☆経済 #2 です!

今回は前回に引き続き、「国の借金1100兆円、国民一人当たり900万円の借金」ウソについて取りあげたいと思います!

まずは前回のおさらいをしてみましょう!前回判明した事実は以下のようなものでしたね!

  • 日本には1200兆円近い政府の借金が存在する
  • 借金の借り手は政府、貸し手のほとんどは国内の金融機関である
  • 「政府の借金=国民の借金」ではない

この事実がご理解いただければ、「クニのシャッキンが・・・」系のウソは見抜けるはずです!

でも、まだご納得いかない方も多いと思います。前回の最後ではこのような疑問点が浮かび上がってきました。

「『政府の借金=国民の借金』じゃないことは分かったけど、それでも借金あるんでしょ? なんか不安だな…」
「今は大丈夫だけど、将来このまま借金が増え続けていったら破綻しちゃうんじゃないの?」
「毎年税金から国債を返してるんでしょ?やっぱりこの借金は国民が負担するものなんじゃないの?」

確かに言われてみれば…というご指摘です。では、今回から何回かに分けてこの疑問を解決していこうと思います!

と、その前にもう一度事実関係を押さえなおしていきましょう!

「政府の借金」に関するデータ

  • 令和元年度 国債債務残高 1114兆5400億円
  • 令和2年度(2020年)は新規国債発行が100兆円近くになるので「クニの借金」は1200兆円を余裕で超える
  • NEW! 20年前(2000年)と比較すると、「クニの借金」は2倍程度になっている
  • NEW! 50年前(1970年)と比較すると、「クニの借金」は152倍程度になっている

財務省、「最近10カ年の年度末国債・借入金残高の種類別内訳の推移」より作成

政府債務残高とインフレ率の関係
三橋貴明、「政府貨幣発行残高(旧:長期債務残高(左軸))と国債金利・インフレ率(右軸)」(2020年4月24日時点見込み、ソース元:財務省)
http://mtdata.jp/data_69.html#zaimu

はい、今回は前回のに加えてに2つの情報が追加されました! なんと「クニの借金」こと「政府の債務残高」はここ何十年かで増えて続けているんですね!!(棒グラフ参照)

20年前と比較して2倍、50年前と比較するとなんと152倍!にもなってしまいます… これがもしも自分の借金だったら…なんて考えると恐ろしいですよね。

でもちょっと待ってください!! 前回確認したようにこれはあくまで「政府の借金」であって、私たち「国民の借金」ではありません! 私たちが背追い込むものではないんですね。

ここで1つ目の疑問に答えていこうと思います。

疑問その1 こんなに借金増やして、政府は大丈夫なの?

そうですよね、私たちの国の政府に1200兆円の借金があるという事実だけで、「大丈夫かよおい…」となってしまうと思います。

ではここで突然ですが、シミュレーションをしてみたいと思います。

例えばみなさんが100万円の借金を負っているとします。その借金を返済する方法を考えてみましょう。次のような方法がありますよね。

① 100万円を稼いで用意し、貸し手に返す。
② 他の人から100万円を借りて、元の貸し手に100万円を返す(借り換え)
③ 100万円を自分で刷って返す
④ バックれる☆

①が一番真っ当な方法ですよね! ②はとりあえずその場はなんとかなりますが、返す相手が変わっただけなので本質的には解決していません。

③と④は犯罪です。絶対にしないでください!(笑)

…とここまでは「借金をしているのが皆さんの場合」のシミュレーションでした。では次に「借金をしているのが政府の場合」について考えてみましょう!

"政府"が借金をしている場合でも考えられる返済方法は皆さんと一緒です。ただし! 1つだけ大きく違う点があるんですね〜!

それは「政府は『③ 100万円を自分で発行して返す』ができる!」ということなんです!!

日本政府は日本円を発行することができる「通貨発行権」を持っているため、③の方法を使えちゃう唯一の存在なんですね!
注 実際に"お札"を刷っているのは日本銀行ですが、日本銀行は政府の子会社であるため、ここでは日本政府+日本銀行=政府としています。

通貨発行権の説明画像

ということは、政府は「通貨発行権」によって理論上「いくらでも」お金を発行することができるということになります。すごいぞ政府! (ただし、実際には"別の制約"があるので無限にお金を発行できるわけではありません。)

ですから、たとえ1200兆円の借金があったとしても、いざとなれば伝家の宝刀「通貨発行権」を使ってお金を発行し、借金や利息分を返してしまえばいいんですね。

以上をまとめると、「政府は借金を膨らませているが、いざとなればお金を発行できるので心配いらない!」ということになります。

いかかでしょうか? 少しずつ「政府の借金」の仕組みがわかってきたかと思います。 今回は疑問の一つを解消することができましたね!

Clear!!
「『政府の借金=国民の借金』じゃないことは分かったけど、それでも借金あるんでしょ? なんか不安だな…」

「今は大丈夫だけど、将来このまま借金が増え続けていったら破綻しちゃうんじゃないの?」
「毎年税金から国債を返してるんでしょ?やっぱりこの借金は国民が負担するものなんじゃないの?」

「あれ? 2番目もこれで解消できたんじゃないの?」と思われるかもしれません。でもコレは別の理由で「ありえない」ことが証明できるんです…!

「なにそれ? どういうこと〜!?」

という声が聞こえてきそうですが、これは次回のカジュアル☆経済で解き明かしていきたいと思います!お楽しみに!


最後まで読んでいただきありがとうございました!

ではまた!

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